卒業する3年生へ

昨日、3月3日にバレーボール部部員の3年生11名が卒業しました。

              (3月3日 卒業式にて 撮影の時のみマスクを外しました)

コロナ禍で行われる卒業式は、保護者各家庭1名限定と規模を縮小した卒業式でしが、
卒業生たちは、凛とした顔つきで堂々と会場を後にしそれぞれの道へスタートを切りました。

今年の3年生は本当に個性豊かで、一見まとまりのなさそうな学年でした。
しかし、入学してから11人誰1人欠けることなく今日この日を迎えることができ、
顧問としても嬉しい気持ちでいっぱいです。

昨年の年明け、3年連続の全国私立高等学校バレーボール選手権大会の出場を決め、
その経験を弾みにし関東大会出場に向けてスタートダッシュしようとした矢先に、
全国の学校教育機関が一斉休校になりました。

当然、本校も部活動も行うことができず、
出場を決めた全国大会も中止になり、
3ヶ月後!と一縷の希望をかけた関東予選もインターハイ予選もすべて中止になりました。

「いったい私たちは何のためにこれまで頑張ってきたのか、
 目標とする大会が全てなくなり悔しい気持ちでいっぱいになった。」

そう語っていた彼女たちが、
ついに卒業の日を迎えたのです。

先日、1.2年生企画で行われた「3年生を送る会」で彼女たちは口々にこう言いました。

「たくさん迷惑をかけた私たちだから言えることがあります。
 後輩たちには後悔して欲しくない。
 
 毎日練習があることが当たり前だったけど、
 毎日バレーボールができる事は全然当たり前じゃなかった。

 1日1日の練習を大切にしてほしい。
 そして絶対に後悔しないでほしい。
 私たちが行くことができなかった関東大会、全国私学大会に絶対に行ってほしい。
 練習やトレーニングは、きついし、辛いし、投げ出したくなる時もあるけど、
 引退した今だから言える事は、

 あの日々が自分たちにとって最高の宝物になるんだって言うこと。」

「仲良しこよしでは本当のチームはできない、
 ときにはぶつかり合って喧嘩もしていいから、
 自分の思っていることをきちんと伝えていくことが大切。

 チーム全員が同じ方向向くこと、それが本当の仲間だ。
 
 つらいとき、苦しいときに支えてくれるのが仲間。
 
 嬉しいとき、勝ったときに共に喜び合えるのが仲間。

 そんな関係を後輩の皆も築き上げて欲しい。
 私たちはこの11人でやってこられて本当によかった。」

藤村バレーボール部の部訓このようなものがあります。

『バレーボールを通じて大切なものを見つける』

この子たちは、ほぼ全ての目標としていた大会が中止になった。
しかし、この3年間のバレーボール部の活動は間違っていなかったんだと。
今は胸を張ってそう言える。

なぜならそれぞれ11人に、
ちゃんとこれからの人生の糧となるような、
大切なものを見つけさせてあげることができたのではないかと感じているからだ。

高校3年間は人生のゴールではない。
関東大会や全国大会に出場することが人生の目標ではない。
これから続く何十年と長い人生の中で、
あの時の経験、頑張りがあるからこれからも頑張れる!
と思えるような気持ちを持たせてあげたい。

彼女たちの新しいスタート、
これからの未来を願って、
これからも私はここでバレーボールを教えていきたいと思う。

          (2月23日 3年生を送る会にて 撮影の時だけマスクを外しました)


藤村女子高等学校
バレーボール部顧問 三井良介

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