10月24日(日)に東京都全日本高校選手権一次予選が行われました。
今年度より例年の1か月遅くなった春高予選です。インターハイ予選で藤村史上初の5位となり、もう一つ先の大きな壁に挑むべく部員一丸となって努力を重ねてきました。
高さのあるチームにどう挑むのか。
経験のあるチームとどう戦うのか。
本気で挑むという心構えを身に着けるにはどうしたら良いのか。
試行錯誤しながら過ごした4か月でした。
同時に緊急事態宣言が再度発令されて、
練習や練習試合が思うように重ねることが難しかったですが、
出来ること、やらなければならないことをピックアップしながら
一つ一つ丁寧に練習してきました。
結果としてはベスト8決定戦で実践学園とフルセットの末、見事勝利。相手のインターハイ予選リベンジマッチの勢いに1セット目は押されてしまいましたが、何とか立て直し2,3セットを連取し、2大会連続ベスト8を決め、目標であったベスト4決定戦へコマを進めました。
ベスト4決定戦は強豪八王子実践でした。平均身長が175cmを超える超大型チームにいかにして戦いを挑むのか。その為の練習は積んできたと自信をもって戦っていこうと送り出しましたが、1セット目は相手の高さ・パワーを体感する間もなく、名前に勝手に負けてしまったという印象でした。
これが常に全国優勝を目指しているチームの姿かと感嘆もしましたが、これでは4か月、いや1年間の努力が報われません。
心を鬼にしながら、
「こんな試合をするために練習してきたのではない!
もっと徹底的にぶつかってこい!」
と激を飛ばしました。
すると2セット目は先ほどのチームとは別人かのように生まれ変わり、観ている人たちを勇気づけるような試合をしてくれました。何より、試合をしている本人たちが一番楽しそうに戦っていることが嬉しかったです。
当然試合は負けてしまったら終わりです。
しかしバレーボールは本来楽しいスポーツです。
仲間とボールを繋ぐ。心を繋ぎ想いを乗せる楽しいスポーツなのです。
それがプレーをしている選手、応援をしている選手をみて伝わってきたことが何より嬉しかったです。
試合としては、中盤までなんとか競った展開でしたが中盤以降徐々に離されて行き、
最後は18点を取るとこが出来ませんでした。
今年度はというと、
「3年連続関東大会出場」
「東京都第5位」
「2大会連続ベスト8」
と輝かしい成績のようですが、その一年間の歩みは決して輝かしいものではありませんした。そこには計り知れない選手たちの努力があったのです。
今年の選手たちは経験がある選手がほとんどいませんでした。
中学からバレーを始めた選手、都大会にも出たことがない選手、都大会に出て1,2回戦敗退の選手ばかりでした。
素質はあっても、圧倒的な経験の少なさがウィークポイントと感じていました。
素質を信じ、必ず勝てると言い聞かせても、自分たちで信じることが出来す、
新人戦はベスト8決定戦であっさりとストレート負け。
何もできず負けたあの敗戦から、このチームの本当のスタートが始まったと思っています。
今回の試合が終わった後に、キャプテンとエースが口を揃えて
「あの敗戦後は本当に辛かった。辛かったけど、あの負けがなかったら、きっと私たちは強くなっていなかったと思う。関東にも行けないかもとメンタルもボロボロ、練習も基礎基本から鍛えなおしで辛かったけど、あの時負けといて良かったなって今は思えます。」
と話してくれました。
中途半端な努力、中途半端な覚悟では戦えない。
自分たちの限界に挑戦するからその先に楽しさがある。
藤村は長い歴史こそあるものの、いわゆる強豪校と言われるまでの実績や伝統はありません。そんな学校が高校バレーをやるからには、
「ベスト4を目指す!」
「春高を目指す!」
と口にするのはおこがましいでしょうか。
いや、そこに挑戦してこそ面白いのでないかと私は思います。
他のチームや誰かに笑われても、本気で目指すと覚悟できること。
何年かかっても何十年かかっても、それを本気で口にできるチームでありたいと思っています。
この一年間、コロナで挑戦することすらできなかった先輩たちの想いを背負い、味わったことのないどん底から必死で這い上がり、自分たちを信じ続け、挑戦することの大切さを体現し続けてくれた3年生を誇りに思います。
たった6人と少ない代でしたが、その存在は大きかったです。
本当にありがとう。そしてお疲れさまでした!!
この残してくれた大きな財産を胸に、これから新チームが始動します。
これからも藤村女子バレーボール部の応援を宜しくお願いします。
有難うございました。
バレーボール部顧問 三井良介
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